語学参考書ミシュラン

ポリグロット外国語研究所が世に溢れる語学参考書を評価し、良書をご紹介します!

3月16日、『TOEIC亡国論』猪浦道夫(著)が集英社新書より発売されました!

(内容説明)
TOEICが支持され始めてから40年近くになったが日本人の英語力は一向に上達していない。なぜ学習者はTOEICに振り回されているのか。そのからくりを明かし、真に有効な英語学習法を論じる。


「なぜTOEICではダメなのか?」「正しい英語学習法は?」「壮年者こそ語学を」etc...
TOEIC至上主義、間違いだらけの日本の英語教育に一石を投じる一冊です!


今回は猪浦おすすめの語学読み物をご紹介します。

和田秀樹『受験学力』(集英社新書0875 2017年刊)
語学参考書ではないが、語学学習にも多くの示唆を含んだ良著。受験生をもつご両親には一読をお薦めしたい。広く学習とはどうあるべきか、真の学力とは何か、を考えさせられる一冊。

水村早苗『日本語が亡びるときー英語の世紀の中で』(筑摩書房 2008年刊)
副題が「英語の世紀の中で」となっている。もう10年近く前にこうした予測をしていた著者の想像力に感心する。著書は筆者と異なりものごとをじっくり考え丹念にまとめられる才能の持ち主で羨ましい限り。昨今、生徒さんたちから「これから自動翻訳が発達して翻訳家はいらなくなるんではないですかね」とよくきかれるのだが、この問題の答を出すのに格好の考え方を提示してくれている。この本を読むと、プロの語学屋が今後どのような能力をもてば生き残れるか(というより、むしろ引っ張りだこになるか)が見えてくると思います。

『本物の英語力』鳥飼玖美子(講談社現代新書2353 2016年刊)

(猪浦コメント)
鳥飼先生は一貫して日本の英語教育のあり方に警鐘を鳴らし続けていらっしゃいますが、この本も英語の勉強はどうあるべきかについて、オーソドックスに真正面から取り組んだ本です。英語を勉強する方全てに読んでほしいと思う本です。目次を見ただけで、私は興味津々でした。いくつか章をご紹介しておきます。

第1講 なんで英語やるの?
第5講 話すためにこそ文法
第6講 訳すことの効用
第8講 英語力試験にめげない、振り回されない
第9講 デジタルと英語教育
第12講 英語を書く
第13講 語学研修と留学
第14講 仕事に使える英語


 

昨年出版された『英語冠詞大講座』に続き、猪浦道夫の最新刊『英語語彙大講座』がDHCより絶賛発売中です。

(猪浦コメント)
「昨年の「冠詞大講座」に続いて、DHCさんでこの春に出していただきました。アカデミックさをわすれることなく、エッセイ的に楽しく読んでいただこうと努めました。よろしかったらお手に取ってご覧ください。英語の語彙不足に悩まれる方、体系的に語彙を理解したいという方、あと科学者、お医者さんのように専門語彙を要領よく頭に入れたいと思っている方にお勧めします。 」


内容紹介:
ベテラン翻訳家が伝授する、上級からの語彙増幅法と整理法、そして用法のすべて。英語の本質にせまる言語感覚が養える、上級者向けの決定版解いて感覚を磨ける演習問題付

目次:
第1章 序論
第2章 英語の語彙の歴史
第3章 語形成または造語法
第4章 接辞
第5章 語の意味
第6章 英語学習への応用
第7章 様々な言語からの借用語
第8章 接辞・語幹一覧表
コラム


 

2016年1月20日にDHC出版より、猪浦道夫の新刊英語冠詞大講座が発売されました。

少し長くなりますが、この本の冒頭に書いた原稿を皆さんにご紹介して、
その内容、趣旨について知っていただければと思います。

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英語の会話や作文の学習において冠詞を正しく運用するのはほとんど
不可能のように思われています。冠詞についてはいろいろな参考書が
出版されていますが、これぞ決定的という評判の本は聞きません。
特に最近20年ぐらいの間に出版されたものは、どうも軽佻浮薄な感じ
のものが多いようです。私自身いく冊かの本を手に取ってみましたが、
どの本を読んでも、読んでいるときはフムフムとは思う
けれども(なかにはフムフムとはまるで思えないような本もありましたが)、
いざ英文を書こうする段になるとやはりわからないことが出てくるのです。

私の場合、専攻の関係でイタリア語とフランス語の冠詞の研究を先に始めて
いたのですが、英語の冠詞の論理は他の言語(伊、仏のほかにドイツ語なども
含めて)のそれに比べると、かなり風変わりで理解に苦しむことが多かったの
です。ですから、英語の専門家や英米人の著者が英語の考え方はこうなんだと
力説なさればなさるほど、結局は英語の論理と感覚を身に着けるしか解決策は
ないのか、と途方にくれたりしながら試行錯誤を繰り返しました。

結局のところ、日本人学習者が英語の冠詞をうまく使えないもっとも大きな
原因は、逆説的な言い方になるかもしれませんが、冠詞の用法ばかりを研究して
いるからではないかと思うようになりました。詳しい受験参考書で冠詞の用法の
項目を読んでみると、そのときはフムフムと思っても、実際に英語を書こうと
すると(あるいは、話そうとすると)、使おうと思っている名詞に冠詞をつけ
るべきかどうか、あるいは単数、複数のいずれにするべきか、ハタと迷うと
いう経験をおもちの方はたくさんいらっしゃるでしょう。

私がこれまでもっとも時間を割いて勉強してきた言語はフランス語とイタリ
ア語ですが、翻訳の仕事を長年してきたお陰で、結果的に英語に接してきた時
間もそれは膨大なものでした。それと、生来の好奇心からドイツ語、スペイン
語、北欧語など、西欧の言語を中心として数か国語の翻訳仕事をするように
なり、さらに大学院で言語学をかじってからは、世界の50か国語近い言語の
文法書をながめてきました。

どんな外国語を勉強するときでもいつも気になることは、英語などの「冠詞」
の機能がその言語でどう表現されているかということでした。大学院からロー
マ大学での充実した研究期間、その後ビジネスの世界で様々な言語の冠詞に
ついて比較研究する傍ら、私は何とか「英語の冠詞の参考書の決定版」の
ようなものが書けないかと思うようになり、ここ数年いろいろな角度から
ドラスティックにアプローチを変えて研究してみました。そして、私は次の
結論に至りました。

1)冠詞を正しく運用するには、冠詞の本質を理解したうえで「名詞句」全
  体の形を決める、という方法論をとらないと解決しない。

2)冠詞の本質と、各言語における実際の運用に際しての嗜好(考え方)の
  間には、恣意的なずれがあるので、冠詞の使い方に関して科学的に万能の
  法則を立てるのは不可能である。

3)英語はその特異な冠詞の使い方で、欧州の他言語とは大きな嗜好(考え
  方)の違いがある。

4)英語の冠詞は使い方に大きな「揺れ」があるので、その「揺れ」生じさ
  せる理由をよく認識すべきである。

ローマから戻ってからこれまで、私は英語の冠詞に関するセミナーを企業
の海外赴任者や一般の学習者の方々に何十回と開催してきましたが、さいわ
いご好評をいただき、参加者の方々からセミナーで話した内容を早く本にし
て欲しいというご要望をいただきました。この評価は私をおおいに力づける
ものでした。そうした経緯から、このたびDHCさんのご厚意でこの私の
長年の成果を世に出していただけることになりました。

私は冠詞をもつ10か国語以上の言語をも含めて比較、分析作業を繰り返して
きました。その点で「英語の冠詞」のアプローチの点で、これまでの参考書とは
一味違うものになっていると自負しております。

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自信作です。ぜひお手に取ってください!

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