語学参考書ミシュラン

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昨年出版された『英語冠詞大講座』に続き、猪浦道夫の最新刊『英語語彙大講座』がDHCより絶賛発売中です。

(猪浦コメント)
「昨年の「冠詞大講座」に続いて、DHCさんでこの春に出していただきました。アカデミックさをわすれることなく、エッセイ的に楽しく読んでいただこうと努めました。よろしかったらお手に取ってご覧ください。英語の語彙不足に悩まれる方、体系的に語彙を理解したいという方、あと科学者、お医者さんのように専門語彙を要領よく頭に入れたいと思っている方にお勧めします。 」


内容紹介:
ベテラン翻訳家が伝授する、上級からの語彙増幅法と整理法、そして用法のすべて。英語の本質にせまる言語感覚が養える、上級者向けの決定版解いて感覚を磨ける演習問題付

目次:
第1章 序論
第2章 英語の語彙の歴史
第3章 語形成または造語法
第4章 接辞
第5章 語の意味
第6章 英語学習への応用
第7章 様々な言語からの借用語
第8章 接辞・語幹一覧表
コラム


 

2016年1月20日にDHC出版より、猪浦道夫の新刊英語冠詞大講座が発売されました。

少し長くなりますが、この本の冒頭に書いた原稿を皆さんにご紹介して、
その内容、趣旨について知っていただければと思います。

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英語の会話や作文の学習において冠詞を正しく運用するのはほとんど
不可能のように思われています。冠詞についてはいろいろな参考書が
出版されていますが、これぞ決定的という評判の本は聞きません。
特に最近20年ぐらいの間に出版されたものは、どうも軽佻浮薄な感じ
のものが多いようです。私自身いく冊かの本を手に取ってみましたが、
どの本を読んでも、読んでいるときはフムフムとは思う
けれども(なかにはフムフムとはまるで思えないような本もありましたが)、
いざ英文を書こうする段になるとやはりわからないことが出てくるのです。

私の場合、専攻の関係でイタリア語とフランス語の冠詞の研究を先に始めて
いたのですが、英語の冠詞の論理は他の言語(伊、仏のほかにドイツ語なども
含めて)のそれに比べると、かなり風変わりで理解に苦しむことが多かったの
です。ですから、英語の専門家や英米人の著者が英語の考え方はこうなんだと
力説なさればなさるほど、結局は英語の論理と感覚を身に着けるしか解決策は
ないのか、と途方にくれたりしながら試行錯誤を繰り返しました。

結局のところ、日本人学習者が英語の冠詞をうまく使えないもっとも大きな
原因は、逆説的な言い方になるかもしれませんが、冠詞の用法ばかりを研究して
いるからではないかと思うようになりました。詳しい受験参考書で冠詞の用法の
項目を読んでみると、そのときはフムフムと思っても、実際に英語を書こうと
すると(あるいは、話そうとすると)、使おうと思っている名詞に冠詞をつけ
るべきかどうか、あるいは単数、複数のいずれにするべきか、ハタと迷うと
いう経験をおもちの方はたくさんいらっしゃるでしょう。

私がこれまでもっとも時間を割いて勉強してきた言語はフランス語とイタリ
ア語ですが、翻訳の仕事を長年してきたお陰で、結果的に英語に接してきた時
間もそれは膨大なものでした。それと、生来の好奇心からドイツ語、スペイン
語、北欧語など、西欧の言語を中心として数か国語の翻訳仕事をするように
なり、さらに大学院で言語学をかじってからは、世界の50か国語近い言語の
文法書をながめてきました。

どんな外国語を勉強するときでもいつも気になることは、英語などの「冠詞」
の機能がその言語でどう表現されているかということでした。大学院からロー
マ大学での充実した研究期間、その後ビジネスの世界で様々な言語の冠詞に
ついて比較研究する傍ら、私は何とか「英語の冠詞の参考書の決定版」の
ようなものが書けないかと思うようになり、ここ数年いろいろな角度から
ドラスティックにアプローチを変えて研究してみました。そして、私は次の
結論に至りました。

1)冠詞を正しく運用するには、冠詞の本質を理解したうえで「名詞句」全
  体の形を決める、という方法論をとらないと解決しない。

2)冠詞の本質と、各言語における実際の運用に際しての嗜好(考え方)の
  間には、恣意的なずれがあるので、冠詞の使い方に関して科学的に万能の
  法則を立てるのは不可能である。

3)英語はその特異な冠詞の使い方で、欧州の他言語とは大きな嗜好(考え
  方)の違いがある。

4)英語の冠詞は使い方に大きな「揺れ」があるので、その「揺れ」生じさ
  せる理由をよく認識すべきである。

ローマから戻ってからこれまで、私は英語の冠詞に関するセミナーを企業
の海外赴任者や一般の学習者の方々に何十回と開催してきましたが、さいわ
いご好評をいただき、参加者の方々からセミナーで話した内容を早く本にし
て欲しいというご要望をいただきました。この評価は私をおおいに力づける
ものでした。そうした経緯から、このたびDHCさんのご厚意でこの私の
長年の成果を世に出していただけることになりました。

私は冠詞をもつ10か国語以上の言語をも含めて比較、分析作業を繰り返して
きました。その点で「英語の冠詞」のアプローチの点で、これまでの参考書とは
一味違うものになっていると自負しております。

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自信作です。ぜひお手に取ってください!

今回は、高校生、大学生、新社会人の方に特に一読をお勧めしたい本を2冊紹介します。

塩野七生『生き方の演習 ―若者たちへ―』(朝日出版社・2010年)
これは彼女の講演内容をまとめた本のようです。
割合薄くて活字も大きく、寝っころがって1時間もあれば読めてしまう本ですが、
語学に限らずこれからどうやって生きていくか悩んでいる若者たちには
多くの示唆に富んだ本だと思います。

全体としては人生全般について書かれているのですが、
そこはイタリア語の達人の彼女、語学に関してはいいことを言っています。曰く、
  *外国語は道具として勉強するほうがよい
  *母国語がきちんと話せることが大切
私個人としては、次の項目が特に同感できました。
  *選択肢を多くもてない日本人
  *多くの人間は、見たいと欲する現実しか見ていない
  *教養を身に着けると、いろいろな見方ができる
  *刺激をいっぱい受ければ独創性が生まれる
とても読みやすい本なので、面白そうと思ったら手にとってみてください。


渡部昇一「学ぶためのヒント」(祥伝社黄金文庫425・2000年)
私が尊敬する学者のひとり、渡部先生の実にオーソドックスな学生向け手引き。
いまどきこれほどまっとうに真正面から学問人生を語るという方は
ある意味貴重に思えます。単に学習のあり方にとどまらず、
人生のあり方を記した教えの著ですが、後半の4,5章は語学(英語)学習法
について記されています。
この部分を読むと、最近の文科省主導による英語教育の弊害がよくわかります。
今の英語学習法に疑問を持っている方はぜひ読んでほしいところです。
特に、4章の次の項目は必読です。
  *英語学習の二面性を知ろう
  *実用と教養の二面性を認識しよう
  *辞書を引く楽しみーそこにはドラマがある
また3章の「国際人とはどういう人か」もぜひ読んで欲しいところです。

私の恩師、森田貞雄先生がもう半世紀前に入門書を書かれています。

森田貞雄「デンマーク語文法入門」(大学書林)1964年刊

今でも使えないことはないですが(個人的には、少し乱暴で、説明が面白いので嫌いではありません)、さすがに古くなっているので、同じサイズの本として、昨年手ごろな本が出ました。(森田本が出てからほぼ半世紀ですか、感慨深いですね)

下宮忠雄「デンマーク語」(近代文藝社新書) 2013年刊

上記2冊は、デンマーク語の文法を一気に学び、
とりあえず論文でも解読しようという方には充分なのですが、
もう少し、ドリルもやりながらじっくり丹念に学びたい
(特に、将来現地に行って会話の真似事でもしたい)という方には、下記がイチオシです。

山野辺五十鈴「自習デンマーク語文法」(大学書林) 1986年刊

タイトルは「文法」になっていますが、よい「入門書」です。
このレベルでは、下記も悪い本ではありませんが、
やや古くなっているのとドリルがありません。(著者は私の恩師のひとりです)

秦 宏一「デンマーク語の入門」(白水社) 1978年刊

そして、デンマーク語で翻訳でもしようという方は、下記、一応必携です。

岡田令子・菅原邦城・間瀬英夫「現代デンマーク語入門」(大学書林)1984年刊

「~入門」となっていますが、事実上「デンマーク語文法事典」の感があります。
この大学書林の書名の付け方のセンスはどうにかならんか。

そして、さらにマニアックにバカ丁寧に、会話もすみずみまで学びたいという
デンマーク語フェチの方に、昨年待望の大著が出ました。
ただ、独習は難しいと思いますが。(ネイティブの恋人をみつけてタラタラ勉強するにはよい)

新谷俊裕・Thomas Breck Pedersen・大辺理恵「大阪大学外国語学部 世界の言語シリーズ10 デンマーク語」2014年刊

あと、デンマーク語は、ご存知の通り、発音が???ですので、
初歩の頃に発音記号に慣れるなどの目的で、下記の本を持っていてもよいと思います。
(この叢書は、他の言語なら推薦しないのですが、間瀬先生が音声の専門家であることもあります)

間瀬英夫「デンマーク語会話練習帳」(大学書林) 1979年刊
間瀬英夫・菅原邦城「デンマーク語基礎1500語」(大学書林)1981年刊

辞書は、大学書林で、例によって「大きいだけ」のあまり意味のない丁和辞典と、
和丁の小辞典が出ていますが、後者は参考として持っていてもよいでしょう。

前者はお金が余っている人は持っていてもよいですが、
本格的に学ぼうという人は不要でしょう。
そういう人は、どのみち Danish-English Dictionary を使いこなせないと、商売になりません。

丁英、英丁の辞書としては、まず Gyldendals Roede Ordbog の赤い辞書を入手してください。


ノルウェー語のオススメ参考書について

結論から言うと、ノーチョイスで下記の本が決定版です。
下宮忠雄『ノルウェー語四週間』(大学書林)  

下宮先生渾身のライフワークのひとつと言ってよいのではないでしょうか。
ノルウェー語に対する愛情さえ伝わってきます。
この本一冊やれば他に必要
ないです。

他に、「ノルウェー語OO」というタイトルの本がチョロチョロ出ていますが、
少なくとも本格的に学習するつもりの人には引用にも値しない
(かつ、金出して
買うに値しない)ものだけです。

ただ、次の小辞典は持っていてもよいかも知れません。

森 信嘉『ノルウェー語基礎1500語』(大学書林)

辞書は、大学書林でバカでかい諾日辞典が出ていますが、
この辞書に頼って
いるようではプロにはなれませんので、
値段を考えると買わなくてよいでしょう。も
ちろんお金が余っているひとはどうぞ。

そこで、Einar Haugen 教授の 『Norwegian-English Dictionary』がどうしても
必要になるのですが、さいわいアマゾンで比較的安価に入手できるはずです。

大学書林で「和諾小辞典」が出ていますが、
参考程度の持っていてもよいかも
知れません。
もちろん、英語に自信があれば、現地のEnglish-Norwegian Dictionary
 
を使う方がよいです。

 

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